復興特別所得税の源泉徴収H25年1月1日から
復興特別所得税が復興特別法人税とともに創設されました。
平成23年11月30日に成立した
「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(以下「復興財源確保法」)によるものです。
東日本大震災からの復興を図ることを目的とし、
平成23年度から平成27年度までの間に実施する
施策に必要な財源を確保するための措置として
復興債の発行などとともに税制面で手当てされたものです。
復興特別法人税又は復興特別所得税は,
法人税の税率には10パーセント
所得税の税率には2.1パーセント
の税率を上乗せするもので,
所得税又は法人税の付加税として位置付けられます。
こうした付加税とみられるものとしては,
過去にもありますが,いずれも1年又は2年といった
短期の時限的な税でした。しかし、今回は
復興特別法人税は3年間ですが,
復興特別所得税は平成25年から平成49年までと
四半世紀に及ぶ長期の時限立法となっています。
以下、日常,給与や報酬料金等の支払を行っている
源泉徴収義務者が行う徴収・納付の 実務に関係する点を
すこしピックアップしていきます。
(1) 源泉徴収義務者
所得税の源泉徴収義務者が,復興特別所得税の源泉徴収義務者でもある
(2) 徴収税額の計算
源泉徴収の対象となる所得について徴収する復興特別所得税の額は,
その所得の支払金額に所得税の源泉徴収税率を乗じて所得税額を求め
それに復興特別所得税の税率100分の2.1を乗じて計算した金額となる。
支払金額 × 所得税の源泉徴収税率(%) × 102.1% = 合計税額
ただ、平成25年1月1日以後の給与所得の源泉徴収税額表を利用する場合は
復興特別所得税もふくまれているので、そのままでよい。
(3) 適用時期
① 各月分の給与を翌月15日に支払うこととしている会社が,平成24年12月分の給与を
平成25年1月15日に支払う場合,復興特別所得税はどうなるか。
⇒ 給与所得の収入金額の収入すべき時期は,契約又は慣習その他株主総会の
決議等により支給日が定められている給与については,支給日とされている。
したがって,平成25年1月1日以後の同月15日に行うべき徴収となるので
復興特別所得税を徴収しなければならない。
② 平成24年12月10日が支払日の従業員賞与で未払となっていたものを平成25年1月
に支払う場合はどうか。
⇒ 未払となっている賞与は平成24年12月10日に支払うべき日が到来して支払が
確定している。したがって、未払となっていた賞与の支払の際に
復興特別所得税の徴収は必要ない。
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