プランド・ギビング(Planned Giving)というのは、
信託・年金・保険・不動産などの個人資産の計画的な寄付の総称で、
計画的に寄付をすることで、信託銀行などを通してNPOなどの
非営利団体へ寄付をすると、寄付金控除などの適用が受けられる
というものです。

1969年に米国で生まれ、税制上のメリット、特に有価証券や土地の
寄付しやすさ、運用益の配当が受けられる制度設計などにより、
寄付の促進に大きな貢献をしています。

日本では、公益信託を設定すると、寄付控除を受けることが可能ですが、
寄付先の意思決定に関与できない、
自分への資金還流(運用益の配当)は認められない、

などのデメリットがあります。

また、遺言信託においては、寄付先を自由に決められる反面、
寄付控除のメリットが存命中に享受できません

プランド・ギビングではその両方が可能になります。

平成23年6月22日、平成23年税制改正とNPO法改正により、
NPO法人だけでなく公益法人、社会福祉法人、学校法人なども
対象とした優遇税制が実現しました。
この改正は今年の1月1日にさかのぼって適用されるので、
今回の東日本大震災の支援活動をしている団体への寄付も
適用されます。

また、2010年12月の税制改正大綱で
日本版プランド・ギビング信託制度向けの税制優遇措置
採用され、これも正式に創設されました。

地元の信託銀行などに預けた財産から生じる利子所得が非課税になりました。

NPO法人などへ寄付する方も増えることが考えられます。
寄付をもらうためには、NPO法人などの非営利団体も報告義務なども
当然あると考えられ、より目的に沿った活動をしていかなければならなくなると
思います。
認定NPO法人の要件緩和と寄付控除の拡大、そして
この「日本版プランド・ギビング信託」で日本の寄付文化は大きく変わります。
地域社会に寄付がきちっとめぐることで、地域の活性化を後押しできると信じて
います。

投稿者: 水戸聖子税理士事務所