建物の建て替えに伴う立ち退き料の取扱い
今回の地震によって、ビルに問題が生じ、
ビルのオーナー様から立ち退きを提示された方が
いらっしゃるかもしれません
保証金と立ち退き料をはらうから、といわれても、
そこで継続的に営業を行っており、
お客さまもその場所に いらっしゃっていたわけですから、
おカネの問題ではないのですよね。
直接震災といってもよいです
では、臨時収入であるその立ち退き料は納税者さんが個人の場合、
税務上、どう処理をするのでしょうか。
関係のある税目としては、所得税と消費税になります。
1 資産の消滅の対価補償としての性格のもの
家屋の明渡しによって消滅する権利の対価の額に相当する金額
→ 譲渡所得の収入金額となります。
→ 課税対象取引となります。
2 移転費用の補償金としての性格のもの
立ち退きに当たって必要となる移転費用の補償としての金額
→ 一時所得の収入金額となります。
→ 課税対象外取引となります。
3 収益補償的な性格のもの
立ち退きに伴って、その家屋で行っていた事業が
休業又は廃業による営業上の収益の補償のための金額
→ 事業所得の収入金額となります。
→ 課税対象外取引となります。
ただ、現実問題として、立ち退き料が支払われる場合に、
それらが明確に区分されて支払われることはほとんどなく、
その判断が困難であることから、消費税基本通達5-2-7で、
建物等の賃借人が、賃貸借の目的とされている建物等の契約の解除に伴い
賃貸人から収受する立ち退き料は、
賃貸借の権利が消滅することに対する補償、営業上の損失または移転等に
要する実費補償等に伴い収受されるものであり、
資産の譲渡等の対価に該当しない、
つまり、1-3全部、課税対象外取引になるとしています。
ただし、賃貸人以外の第三者にその地位を譲渡する場合は
課税対象となりますので注意が必要です。
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