7/15に財務省は、
日本と香港との間の経済関係の緊密化を踏まえ、
これまで存在しなかった租税協定締結の正式交渉を
平成22年3月から実施し、同年11月9日に
「日本国政府と中華人民共和国香港特別行政区政府との間の租税協定」
署名され、本協定が平成23年8月14日に発効し、
平成24年1月1日から適用開始する旨を公表しました。

下記、ProFIT EXPRESS 788号参照にしてます。

この協定には、国際的な二重課税を調整するため
日本と香港において課税できる範囲を明確にするとともに、
我が国と香港との間に生じた課税に関する問題を
円滑かつ確実に解決することができるよう税務当局間の協議の枠組み
(その仲裁手続きを含みます。)が設けられています。

これらにより、相互の投資・経済交流を一層促進することが期待されています。

また、国際標準に基づく税務当局間の実効的な情報交換の実施が可能となり、
G20等で重要性が確認されている国際的な脱税及び租税回避行為の防止に
資することとなります。
 
 1.租税協定のポイント
 (1)税務当局間の協議に関する規定
    納税者は、協定の規定に従っていない課税を受けたと考える場合には、
    これを解決するための税務当局間の協議(相互協議)を行うことを
    要請することができることとなります(租税協定第24条1)。
    また、この協議の一環として、2年以内に税務当局間では
    解決できなかった事項については、納税者は仲裁への付託を要請する
    ことができることとなります(租税協定第24条5)。
 
 (2)税務当局間の情報交換に関する規定
    税務当局間において、租税に関する情報を相互に交換することが
    できることとなります(租税協定第25条1)。
 
 (3)投資先における投資所得に対する課税を軽減する規定
    投資所得(配当、利子及び使用料)については、以下のとおり、
    投資先における課税を軽減しています(租税協定第10、11、12条)。
 

配当 利子 使用料
親子間(持株要件) その他
5%(10%) 10% 免税(政府等)
10%(その他)
5%

 (4)事業活動によって取得する所得に関する規定
    事業活動によって取得する所得については、企業が進出先に
    恒久的施設(支店等)を設けて事業活動を行っている場合において
    のみ、その恒久的施設の行う事業活動によって取得する所得に
    限定して、進出先において課税が行われることになります
    (租税協定第7条)。
 
 (5)その他
    上記のほかに以下のような規定を設けています。
   ① 移転価格課税の処分の期間制限(課税年度終了時から7年)に
     関する規定
   ② 匿名組合契約に係る所得に対する課税の取扱いに関する規定
   ③ 協定の濫用を防止するための協定
 
 2.本協定について、我が国においては次のものに適用されます
   (租税協定第30条)。
 (1)源泉徴収される租税に関しては、2012年1月1日以後に租税を課される額
 (2)源泉徴収されない所得に対する租税に関しては、2012年1月1日以後に
    開始する各課税年度の所得
 (3)他の租税に関しては、2012年1月1日以後に開始する各課税年度の租税

 
 【参考】
   「香港特別行政区」とは、地理的意味で用いる場合、
   中華人民共和国香港特別行政区の境界の内側を構成する陸地及び水域
   (香港島、九龍、新界及び香港の水域を含みます。)並びに
   中華人民共和国香港特別行政区の租税に関する法令が適用される
   他の地域をいいます(租税協定第3条)。

投稿者: 水戸聖子税理士事務所